2010-01-01から1年間の記事一覧

第184回 予算委員会では予算審議を

毎日新聞が社説にこう書いていました(「来年度予算 困難から逃げぬ政治を」2010年12月25日)。 <予算案は来年1月召集の通常国会で議論される。予算委員会は本来、予算を熟議する場だ。財政の正常化につながるような、生産的な議論を強く願う。2011年…

第183回 脚を組もう 自由になろう

秋の文化功労者顕彰式の際に、記念撮影前の待ち時間が長くて手持ち無沙汰になったものか、受賞者の一人、漫画家の水木しげるさんが脚を組もうとしたのを妻の布枝さんが制するところをテレビニュースで見ました。見て、ああ、この漫画家は、因習に囚われない…

第182回 「少女時代」とイノヴェイション

「韓流ブーム」は日本でまだつづいているのですか?もう下火になっているのですか? その辺りのことをここフィリピンで感じるのは難しいのですが、こちらのケイブルテレヴィで放映されているKBS国際放送の番組「ミュージック・バンク」を見る限りでは、い…

第181回 田中康夫氏のこけおどしTPP論

30年前に「なんとなく、クリスタル」という小説で「文芸賞」を受けた田中康夫という人物を覚えていますか?その後に長野県知事にもなったし、衆議院議員と参議院議員も一期ずつ務めたあと、いまは新党日本の代表ですから、まあ、この人物の知名度を案じる…

第180回 聞いていられない 読んでいられない

日本人の日本語力の低下を心底から憂えています。 次の二文を見てください。いえ、新聞の記事のいくつかにちょっと目を通すと、このような文にはたやすく出くわしますから、どんなものでもよかったのですが、たまたま手元にメモがあったものですから…。 初め…

第179回 空騒ぎはもういらない

国会での議論にであれ、報道機関の論調にであれ、そこに表れている論理性と思考力ということに焦点を絞って耳を傾ければ、いまの日本には、国際社会に通用する論者がほとんどいないようだ、ということに気づかずにはいられません。事を理詰めで積み上げなが…

第178回 「流出」で損なわれた国益はない

「苦言熟考」では過去の数年間にわたって<日本語がおかしくなっている。劣化してきている><ちゃんとした日本語が使えなくなると、日本人はまともに、論理的に、思考することができなくなる>という意味のエッセイを何度も書いてきました。 間違っていたよ…

第177回 「尖閣ビデオ」流出の意義

11月8日の「羅府新報」(ロサンジェルスで発行されている日系新聞)に掲載する予定で書いていたコラム(「尖閣ビデオ」の扱い)を、期日前ですが、下にあげることにしました。「尖閣ビデオ」の一部がインターネット上に公開されたため、このコラムがいわ…

第176回 鳩山さん、恥ずかしくないのですか?

鳩山由紀夫という人物はどこまで自分を落とすつもりなのでしょう? 首相だったときには、沖縄の米軍基地の移転をめぐって肯定的なことは何もできなかっただけではなく、最後には、知れば知るほど、沖縄にいる米軍の抑止力の大きさ(大事さ)に気づくようにな…

第175回 自己表現力を磨かないと…

メジャーリーグの審判になろうと努力と苦労を重ねている日本人(Xさん)の姿を追ったドキュメンタリー番組を数週間前に、NHKの国際放送で見ました。 長年の夢を実現するために、妻帯者であるXさんが単身でアメリカに渡ったのは6年前のこと。Xさんは、…

第174回 大坪・佐賀版 「語るに落ちる」

司法試験というのは難しすぎるのではないかと思い始めました。 このところ明るみに出ている検察官の不祥事を見ていると、彼らの頭脳があまりにも、そうですね、あまりにも“おそまつ”にしか感じられないからです。…難しすぎる試験に合格した人たちの頭脳が“お…

第173回 (緊急掲載) 「船長釈放」を政争の道具にするのは… 

【中国人船長釈放 関係修復を優先した政治決着】というのが読売新聞(9月25日)の社説見出しです。常日頃は【…せよ】といった形での高圧的な主張が目立つ同新聞としては異例の“軟弱”さですね。 尖閣諸島沖での、中国漁船による海上保安庁の巡視船への衝突…

第172回 “質”の達成目標が低いと…

2006年からわたしの居住地となっているフィリピンのことを久しぶり書きます。ほめることにはならないのが残念なのですが、まあ、暮らしの現実の一端はこんなふうだ、という報告もたまにはしておきますね。 − 住まいの近くにあるファストフードのレストラ…

第171回 筋を通さないのは支持者もおなじ?

<郵便不正に絡む偽証明書発行事件で、虚偽有印公文書作成などの罪に問われた厚生労働省元局長の村木厚子被告に、大阪地裁が無罪判決を言い渡した><検察の完敗といえる内容だ。判決は「犯罪の証明はない」として、検察が描いた事件の構図をことごとく否定…

第170回 知っています?「筋」って言葉?小沢さん

民主党の代表選挙が菅首相と小沢前幹事長のあいだで戦われています。 小沢氏が立候補すると決めたからには、両者で堂々と政策論争をやってほしい−というような声が世間では一般的なようですが、そんなことはこの選挙を実施する前から、つまりは、民主党が昨…

第169回  「歓迎 “壊し屋”小沢一郎」

<民主党代表選を巡って20日、小沢一郎前幹事長を擁立する動きが強まった。出馬を促す声は小沢氏のグループ以外にも広がっている。これに対し、「非小沢」派は菅直人首相続投の支持固めを加速、両者の攻防は激化した>(毎日新聞 2010年8月21日) −−のだそ…

第168回 そうなんです。そんな旅役者がいたんです。

先日、こんなE-mailをいただきました。福岡に住む森本さんという、一度もお会いしたことがない方からです。 「富士川昇」という役者がいましたよね なにげなくヤフーの「検索」にこの名前を 書いて検索してみたらあなたさまのコラム欄が目に 飛び込んできて…

第167回 何度でも言います 日本語をいじめないで

国民の日本語力が低下して日本はだめになるのではないか、と真剣に恐れています。 次のいくつかの文を見てください。 例文1 <だっこちゃんの新シリーズ。ピンク、青など7色あり、希望小売価格は税込み1050円>(朝日新聞) 例文2 <小沢氏はこれまで…

第166回 社民党はいまや消滅寸前

こんな記事がありました。 + 参院選敗北の社民に打撃=辻元氏の離党意向 (時事 2010/07/27) <福島党首は参院選を控えた5月末、当時の鳩山政権が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設の方針を決めたことに反発。党内を説得し、社民党は連立政権…

第165回 それでも誤訳は避けられない

福岡の兄の本棚に翻訳本「12番目のカード」ジェフリー・ディーヴァー(池田真紀子訳 文芸春秋社)があるのを見つけ、兄の許しを得てマニラに持ち帰りました。昨年の秋のことです。「12番目のカード」は含まれていなかったのですが、この作家の小説は以前…

第164回 消費税への言及が敗因?

参院選挙に負けた民主党が敗因の分析に追われています。 2010年7月13日の東京新聞によると… <北沢俊美防衛相は、首相の「消費税率10%発言」について「戦略的に使い損なった。首相自ら発信するのは少し失敗だった」と、敗因を指摘>してるそうです。 <蓮…

第163回 日本をどんな国にしたいのだろう?

参議院議員選挙が終わりました。膨大な無駄に終わりました。 日本国民=有権者は自らが<ただムードに流されるだけの衆愚>であることを再び証明してしまったようです。あの小泉“自民党をぶっ壊す”選挙のときとおなじように…。衆院で民主党に圧倒的な議席数…

第162回 低級な論戦しかできない国は低級な国にしかなれない

参院選の選挙運動が終盤に入っています。 沖縄の米軍普天間基地の移設について議論するときもそうでした。 消費税率を引き上げるかどうかがこの選挙の大きな論争点になっていますが、ここでもそうです。 普天間基地の沖縄県内への移設に反対する−と言うのは…

第161回 「役割を終える」のは小沢氏だけでは足りない

数ヶ月前に民主党内で<生方副幹事長の解任事件>が起きたとき、<苦言熟考>は次のように発言しています。 (http://d.hatena.ne.jp/kugen/20100323/1269338788 *** 小沢氏には党内民主主義というものがどういうものかが分かってない−という<苦言熟考>…

第160回 「我が家の記憶をさかのぼる」 2

母方(横尾)の古い記憶はいくらか模糊としている。母の母親、わたしたち三兄弟の祖母は佐賀市の外に離れて暮らしていたために、娘である母を祖母がたまに訪ねてきた際にも、わたしたちがなんとなく昔話を聞くというような機会はあまりなかったし、母の弟は…

第159回 「我が家の記憶をさかのぼる」 1

父方(江口)の祖母は大分県の小都市で生まれ育ったあと、祖父が住んでいた佐賀市にやって来て、16歳で父を生んだらしい。明治44=1911年のことだ。その小都市を訪ねた祖父が、小柄だったし、まだ子どものように見えていたに違いない祖母を遊び心で…

第158回 相変わらず、ずいぶん恥知らずですね

<沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題で、日米両政府は28日朝、移設先を米軍キャンプ・シュワブがある「沖縄県名護市辺野古」とすることを明記した日米同盟に関する外務、防衛担当閣僚(2プラス2)の共同文書を発表した>そうです(2010年5月28日14時13分…

第153回 付録  “優柔不断”の“成果”

<米軍普天間飛行場移設問題で、政府は、沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部に建設する代替施設の工法を「埋め立て方式」に戻す方向で最終調整に入り、米政府側に伝えた> 読売新聞 2010年5月19日 − アメリカ軍普天間基地の移設をめぐる鳩山…

第157回 これは危ない! 検察審査会

小沢民主党幹事長の「陸山会」による土地購入に関する政治資金規正法違反(収支報告虚偽記入)事件で東京第5検察審査会は2010年4月27日に、嫌疑が十分ではないとして不起訴となった同幹事長について「起訴相当」という結論を出しました。 検察審議会…

第156回 誤訳の責任も取らないくせに

日本の報道機関がいかに無責任、不正直であるかを感じる機会は、残念なことに、少なくはありません。下に掲げる時事通信の記事もその代表的な例だといえます。 − <「浮世離れした」が真意=鳩山首相コラムで釈明−米紙> (4月29日1時4分配信 時事通信) <…