第241回 術後の経過もいいようです

  5月の18日に右目の、23日に左目の白内障の手術を福岡の病院で受けました。その後の経過は実に良好で、手術を受ける前の不便さや不快さはいったい何だったのだろう、いや、そもそも、なぜもっと早いうちに手術をしてもらっていなかったのだろう、と自問してしまうぐらいに明澄な視力を回復しています。
  いや、回復というのはかならずしも正確な表現ではありません。60歳代の半ばの水晶体は、白内障を病んでいただけではなく、それなりに曇ってもいたとみえて、人工水晶体を通して目に入ってくる世界が手術前に倍するほどに明るいのです。これで、たとえば、雨が降りしきる暗い夜道での車の運転が、若かったころと変わらないぐらいにぐらいに楽になるに違いありません。ありがたいことです。
  白内障が進行していくあいだに困ったことはかずかずありましたが、その第一は読書がほとんどできないことでした。右目に濃い霧がかかったような状態では、本を長い時間にわたって読むことができなかったのです。その気力がわいてこなかったのです。ですから、25日に左目のガーゼもとれてからは、福岡の兄の書棚にあった中から数札の本を選んで立てつづけに読みました。至福とまではいいいませんが、おそらくは1年半ほどは縁がなかった読書ができる喜びを、久しぶりに、そうしてたっぷりと味わったわけです。
  病院の看護師の一人によると、白内障の手術をうけるのは70歳以上のの男女が大半で、わたしのような60歳代は少数なのだそうです。ただ、若ければ若いほど、水晶体がやわらかいので、手術に手間と時間がかからないということでした。たしかに、わたしの場合は、両目ともに10分間ほどで終わったはずです。平均では15分間ほどかかるといわれていますから、手術台に乗っている時間が5分間は短かったということにります。いえ、手術を怖がっていたのではありませんよ。でも、短ければ短いほど、ほっとするときが早く来るわけですから…。
  ちなみに、国民健康保険を使っての両目の手術費用は、手術前後の検査などを含めて10万円ほどでした。
  白内障をすっかり治してもらったことで、ゲンキンなものですね、医療への信頼がわたしの中で急に大きくなっています。