第192回 小沢さん、鳩山さん、もう消えてください

  いまの日本を代表すると思われている“大物政治家”のうちの二人がこれですからね。
  日本が良くならない理由が自ずと理解できますよね。
  「二人」って?いえ、「これ」に該当するのはこの「二人」だけではりませんが、ここで言おうとしているのは、民主党小沢一郎元代表鳩山由紀夫前代表のことです。
  この二人には実によく似た「これ」があります。自分を省みない。何でも他人のせいにする。言うことに一貫性=整合性がない。論理的ではない。誠実さとは無縁。…ええ、敢えてまとめていえば、つまりは、とてつもなく無責任な人間だ、というところです。
  例はいくらでも挙げられますが、比較的に新しいところでは、たとえば…。
  共同通信が2011年2月20日に次のような記事を掲げました。<<小沢元代表、離党重ねて否定 挙党一致で公約実現を>>
  <民主党政権の現状については「菅直人首相はじめ政府与党の皆さんが一生懸命やっているのは間違いないが、なぜ国民の目が厳しいのか真剣に考えないといけない」と指摘。「政権交代を目指して訴えた初心に帰って、ひたすら国民との約束を一歩でも二歩でも進めるためにみんなで力を合わせることだ」と挙党一致での公約実現を訴えた>
  「なぜ国民の目が厳しいのか真剣に考えないといけない」ですって?
  自分に対する「国民の目」がどれほど「厳しい」のかが小沢氏にはまったく分かっていないか、分かっているのに敢えてそれを無視することにしているかのどちらかです。まあ、後者なのでしょうが…。
  この発言は、端的にいえば、自分を省みないで行った、悪質な他人への批判です。だって小沢氏に好意的ではない意見を抱いている日本人の割合は、どの新聞の世論調査でも、70パーセントを超えているのですよ。民主党政府と与党への「国民の目」が厳しくなったのは、そもそも、小沢氏の言動に大きな問題があったからなのです。小沢氏が信用されていなかったからなのです。「真剣に考えないといけない」のはまず小沢氏だ、と国民の大半は思っていることでしょう。国民の知性を小ばかにしたような、我利我利の、愚かな見解を示して恥じない“大物政治家”?困ったものです。
  <政権交代を目指して訴えた初心に帰って、ひたすら国民との約束を一歩でも二歩でも進めるためにみんなで力を合わせることだ>との発言にも呆れてしまわないわけにはいきません。小沢氏が指導して作った「国民との約束」のうちの“目玉商品”の<こども手当て><高速道路の無料化>については、政権交代前後の支持率が40パーセントほどにとどまっていたはずです。望みもしない「約束」を押しつけられて、過半数の国民は困っていたのです。
  政権交代が実現したのは民主党マニフェストを国民がおしなべて支持していたからではなかったということを、小沢氏はけっして認めません。マニフェスト作成を含めて、自分がやることはすべて正しいと信じなければ収まらないのですね、この“壊し屋”氏は。
  しかも、小沢氏は、その「国民との約束」を果たすための財源をどうするかについては、卑怯千万なことに、何も語りません。無駄を省けば16兆円ぐらいの財源はすぐにも出てくると安請け合いしたのに、出てこなかったことについても、いまだに詫びてもいませんし、責任も取っていません。
  「苦言熟考」では初めから、国民が民主党に政権を取らせたのは<自民党政治にサヨウナラが言いたかったからであって、民主党の政策への評価の良し悪しはたいして考慮されてはいなかった>というような意見を述べてきました。民主党がいまのようなテイタラクに陥ってしまったのは、主として、思考方法も言動も自民党色に染まりきった“旧時代の政治家”小沢氏を早期に排除できなかったからだ、といまでも考えています。
  小沢氏はいま、自分の政治生命を守るために、ほかならぬ自分の党と戦争状態に入っています。民主党を破壊しようとしています。この人にはそういう闘争しかできないのでしょうね。
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  民主党の不運は、そんな小沢氏がいまだに勢力を保ちつづけている、ということだけではありません。
  鳩山前党代表。小沢氏をたとえば“豪腕”“策士”と呼ぶとしたら鳩山氏は?
  この大金持ちのぼんぼんを一言で表現するとすれば…。無定見?いや、単に“愚か者”というのがいいのかもしれませんね。
  下の記事を見てください。
  産経ニュースが2011年3月6日に伝えたものです。<<鳩山氏「大丈夫だと言い切れるか分からない」 前原外相の献金問題>>
  <鳩山由紀夫前首相は5日夜、前原誠司外相が在日外国人から違法献金を受けていた問題について「法律(政治資金規正法)は結構厳しい。事実を解明して大丈夫だと言い切れるかどうか、まだ良く分からない」と述べ、進退問題に発展する可能性を指摘した。都内で記者団に語った>
  <さらに「金額の問題ではない。相当、これから野党の追及は厳しいだろうと覚悟しないといけない。現職の閣僚だから、当然、政権に与える影響は出る」と述べ、国会運営や菅直人首相の政権運営が一層厳しくなることを指摘した>
  「金額の問題ではない」とはよく言ったものです。なるほど、母親から数億円規模の巨額の贈与を受けていたのにそれを税務署に適切に申告していなかった人物ですからね、何の自省・自責の念も見せずに、こういう恥知らずなことを言うしかないのでしょうね。
  「現職の閣僚だから、当然、政権に与える影響は出る」ですって?自分が首相のときに明らかになった贈与問題で鳩山氏はどう動きましたっけ?「政権運営が一層厳しくなる」どころか、民主党が党への信頼をほとんど失ってしまうところまで、あれこれと言い訳しつづけたのですよね?
  この“愚か者”には、前原問題について、自分は偉そうに発言できる人物ではない、ということが分かっていません。
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  小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏。いやいや、見事な“盟友”ぶりです。
  日本が傾きかけているこの大事なときに二人もこのような“我利我利亡者”を国政の中心に置いてしまったことを、日本国民は深く反省するべきですよね。
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  25万円の違法献金受領の責任を取って、前原外務大臣が辞任しました。
  外国人からのものであれ、悪質性が感じられない、この程度の献金で、就任後半年ほどしか経っていない現職外務大臣の首を取ることの方がよほど国益に反している、とは感じない日本の政界は病みきっていますよね。市井の飲食店経営者から数年間で25万円をもらったからといって売国行為に走る政治家がいますか?
  おかしなものでも法律は法律だ、遵守しなければならない、というのなら、今後にこんな茶番劇が二度と起こらないように、政治資金規正法は根元から改正すべきです。この件に限りません。政治資金規正法にはばかばかしい(あいまいな)規定があまりにも多すぎるようです。
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  <【ワシントン=小川聡】前原外相の辞任について、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)は6日、「外相辞任は、ふらつく菅政権へのさらなる打撃になると同時に、国際社会における日本の信頼性を低下させる危険がある」と論評した> (2011年3月7日10時25分 読売新聞)
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  <法を厳格に適用し法に違反すれば厳格に扱うのが日本だ。それが日本の競争力であり長所だ。だが度が過ぎれば弱点になる。“順法潔癖症”だ。悪法も法というが、法が間違っているのに直すつもりもなく人だけ切り捨てれば人材は育たない。その上今回の騒動は与野党間の泥沼の政治攻勢の結果だ。外相が6カ月で変わり、首相が1年に1度交替させられる“日本発政治コメディ”もこうしたところに端を発する>  (中央日報 金玄基(キム・ヒョンギ)東京特派員 2011年3月10日)