第365回 「ショーヒA」氏 : 安倍首相とショーンK氏

  安倍晋三首相と自民(および公明)党は、「(この案件については、国民の理解が得られるように)丁寧に説明していく」と公言しながら、実際には、“丁寧に”どころか、議論の場から逃げつづけて“雑に”さえ説明しないところを彼らの顕著な特徴としています。
  その点だけを見ても、この首相とその与党が“大嘘”を政権運営の基本戦術としていることが実によく分かりますよね。
  リーマンショック級の経済的大混乱が起こらない限りは、10パーセントへの消費税引き上げは“約束どおりに”行う、としてきた安倍首相が再び“大嘘”をついた、ということになりそうな形勢になってきています。
  その“形勢”について、2016年03月16日の読売新聞はこう書いています。
  【ノーベル賞教授、首相に「増税の時期ではない」】(http://www.yomiuri.co.jp/economy/20160316-OYT1T50063.html
  <政府は16日午前、世界経済の動向を分析するため、安倍首相や閣僚が有識者と意見交換する「国際金融経済分析会合」の初会合を首相官邸で開いた>
   <ノーベル経済学賞受賞者で米コロンビア大のジョセフ・スティグリッツ教授(73)は会合で、「消費増税は需要を増加させるものではない。現在は消費税を上げる時期ではない」と述べ、来年4月に予定される消費税率10%への引き上げに否定的な立場を表明した>
  “約束どおりに”引き上げるとしてきた姿勢を変えるための布石として安倍首相がこの「会合」を開いたことは明らかです。
  自ら「丁寧に説明する」ことなく「議論の場から逃げつづける」準備を安倍首相はこんな形ででもしているわけです。再び“大嘘つき”と呼ばれることは、避けられるものなら避けたい、という卑劣な意図が露骨に見える、安倍首相が頻繁に使う“子供だまし”手法ですね。
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  その“子供だまし”手法について、東京新聞の「洗筆」がこんなことを書いていました(2016年03月20日)。
  <▼こっちは実在する首相の話。安倍首相は消費税率上げの再延期を検討しているそうだ。ノーベル賞受賞のコロンビア大の教授が最近、増税に反対したのも財政規律派の慎重論を封じる上で首相には好都合だそうだ。世論もなるほどというだろう▼ノーベル賞、コロンビア大ねえ例の人と首相の名を借りて「ショーヒA」作戦と呼んでもいいか>
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  この「ショーヒA」が、学歴・経歴詐称のテレヴィ・コメンテイター、<二枚目。魅惑の低音声。そこに「ハーバード」「MBA」>の“ショーンK”氏の“ショーン”と“消費”を重ね、さらには“ショーンK”の“K”を“安倍”のローマ字表記頭文字“A”に取り換えたものであることは明らかですよね。
  「ノーベル経済学賞受賞者で米コロンビア大のジョセフ・スティグリッツ教授」が前から表明していた意見を急に利用することにした安倍首相のやり方が、大掛かりの学歴・経歴詐称でコメンテイターとしての地位を固めたショーンK氏のものに似ている、と言っているわけです。
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  そのショーンK氏がどんな人物であるかを分析している臨床心理士がいるそうです。矢幡洋という人です(【嘘まみれショーンKに専門家「反社会性人格障害」疑い指摘】(日刊ゲンダイ 2016年3月18日 
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/177450)。
  矢幡氏によれば、このタイプの人間が患っているのは<反社会性人格障害です。これは凶悪犯罪者に多いイメージがありますが、それだけではない。嘘をつくことに罪悪感を持たず、嘘で嘘を塗り固め、自分をよく見せようとするタイプ。表面的にはマルチな才能があるように見え、話し上手で魅力的に映ります。印象操作、自己演出に長けており、相手をダマし、奪えるものは全て奪い取ってやろうと考えています
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  ショーンK氏と「ショーヒA」氏!
  「嘘をつくことに罪悪感を持たず、嘘で嘘を塗り固め、自分をよく見せようとする」!
  なるほど、この両者はたしかに酷似していますね。
  そんな「ショーヒA」氏が自らの政治的達成感を満たそうと誤導に誤導を重ねる日本!
  日本は恐ろしい状況に陥っています。
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  こんな記事もありました。
  【安保法成立半年 廃止法案 棚ざらし】 東京新聞 2016年3月20日 朝刊 (http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201603/CK2016032002000116.html
  <他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法が昨年九月に成立してから、十九日で半年となった。反対する世論の広がりを受け、民主、共産、維新、社民、生活の野党五党は一カ月前に安保法廃止法案を国会に共同提出したが、審議されていない法律の問題点を野党から国会で追及されたくない政府・与党が応じてこなかったためで、数の力で法案を無視し続ける構えだ>
  <安保法廃止を求める「市民連合」に加わる上智大の中野晃一教授(政治学)は「安保法は立憲主義の観点からも、おかしな手続きで成立した審議入りしないのは、国民の世論や、自分たちとは違う声に耳を傾ける気がないから。このまま逃げ切ろうという姿勢の表れだ」と指摘する>
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 [3月23日 追加]
  【クルーグマン教授も消費増税先送り進言 安倍首相に対し】
(鯨岡仁 2016年3月22日22時51分 http://www.asahi.com/articles/ASJ3Q5PXHJ3QULFA02G.html
  < 安倍晋三首相は22日、3回目の国際金融経済分析会合を開き、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンニューヨーク市立大教授と世界経済の情勢について意見を交わした。教授はかつて首相に消費増税の延期を進言したことで知られ、この日も2017年4月に予定する消費税率10%への引き上げの先送りを進言した>
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  [4月3日 追加]
  【スティグリッツ教授は消費増税の延期など提案していなかった】ニュース専門ネット局 ビデオニュース・ドットコム 2016年4月2日 (http://www.videonews.com/commentary/160402-01/
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  [参考記事]
  【第290回  嘘つき、恥知らず、安倍首相】2013-10-04(http://d.hatena.ne.jp/kugen/20131004/1380836135
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[3月31日 追加]
  【ショーンKと同じなのか 高市早苗大臣に「経歴詐称」疑惑】 日刊ゲンダイ 2016年3月31日 (http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/178336/1
  <この時、鳥越氏はこう発言したのだ> <「趣旨から少し外れるんだけど、これ言っておかないといけないかなって。高市早苗さんは、議会立法調査官をやっていたという触れ込みで日本に帰ってきて、田原さんの“朝まで生テレビ!”に出たんですよ」「ところが、彼女は見習い待遇で、無給で、未契約のフェロー、つまりコピー取り程度、お茶くみ程度のことしかやっていない」「だから、経歴詐称だよね、僕に言わせれば。経歴詐称」>
  <実際、高市大臣がアメリカの議会に採用されたという記録は見つからないようだ。それどころか「議会立法調査官」という名称さえ見当たらない>