第366回 日本を“新・大日本帝国”にさせてはならない

  安倍晋三首相が持ち前の“狂気”の度合いをますます増大させています。
  きょう現在でいえば、もっとも“ありえる”と大方に見られている、首相の“狂気”が向かう先は、≪この夏に(圧倒的に与党に有利だとされる)衆議院参議院の同日選挙を行って、野党をさらなる弱小勢力にしてしまい、与党議席数が三分の二以上という既成事実を武器にして、日本国憲法の改変・破壊に向かって一気になだれ込もう≫というもののようです。
  “改変・破壊”後に安倍首相と(公明党を含めた)その徒党がなんとしても築き上げたいと妄信しているのは、もう誰の目にも明らかなように、“大日本帝国の復活・再生”です。“新・大日本帝国”を誕生させることです。
  いえ、“同時”にであれ、それぞれ“個別”にであれ、選挙に備えた運動中に、安倍首相とその徒党はけっして“大日本帝国の復活・再生”を目指しているとは公言しないでしょう。ですが、騙されてはいけません。嘘に嘘を重ね、卑劣なやり方をこれでもかとばかりに繰り返しす、というのが安倍首相とその徒党のやり方なのですから。
  筋を通そうという真摯さや誠意とはまったく無縁の“卑劣な詐欺集団”なのです、安倍政権は。
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  【第290回  嘘つき、恥知らず、安倍首相】(http://d.hatena.ne.jp/kugen/20131004/1380836135
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  では、安倍首相とその徒党が憲法改変・破壊に成功したあとの“新・大日本帝国”はどんな国になるのでしょうか?
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  安倍首相とその徒党が憲法を改変・破壊したあとに何を狙っているかは、たとえば、次の記事を読むだけでも十分に見えてくるでしょう。
  【特集ワイド:自民党改憲案 アノ独裁国家そっくり?】 毎日新聞 2015年06月30日 東京夕刊 (http://mainichi.jp/shimen/news/20150630dde012010003000c.html
  <実は自民党が掲げている憲法改正草案からして、北朝鮮共産党一党独裁の中国の憲法と似てきているのだ。【吉井理記】>
  <まず、次の文章をお読みいただきたい。(1)「公民は国家の法および社会主義的生活規範を守り(中略)尊厳を守らなければならない」 (2)「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」 (3)「国民は憲法および法律を順守し(中略)社会の公徳を尊重しなければならない」>
  <(1)は北朝鮮憲法82条、(2)は自民党憲法改正草案(2012年)102条、(3)は中国憲法53条だ。どれも国民の憲法尊重義務、つまり「国民は憲法を守れ」ということだ
  <「ここに自民党の目指す国家像が透けて見える」と指摘するのは、憲法学を専門とする早稲田大教授の水島朝穂さんだ。「まず憲法は国家権力を縛る目的で制定するもので国民を縛り、従わせるためのものではないのです。これが立憲主義、つまり近代国家の基本であり憲法を守る義務すら国民に押しつけてはならないという考えで、だからこそ米英仏などには規定がない。自民党改憲案はそこを逆転させ国民を縛る、という。北朝鮮や中国に近い考え方です」>
  <水島さんが解説する。「改憲案の前文は『日本国は長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴(いただ)く国家であって……良き伝統と……』などとある。憲法に文化や歴史、伝統について特定の見方を書き込むのも北朝鮮や中国と同じです」>
  <確かに中国の前文は「中国は世界で最も古い歴史を有する国の一つである。中国の諸民族人民は、ともに輝かしい文化を築き上げ、栄光ある革命の伝統をもっている」、北朝鮮も「(北朝鮮は)偉大な領袖(りょうしゅう)金日成同志と偉大な指導者金正日同志の思想と指導を具現した主体(チュチェ)の社会主義祖国である」とある>
  <「自民党の問答集に『立憲主義は義務規定を設けることを否定しない』とあるが、疑問です。欧米の自由主義諸国では義務規定は極めて少なくかつ例外的。自民党案はこの点でも北朝鮮や中国と似るんです」(水島さん)>
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  「苦言熟考」は長く、「安倍自民党」が日本の“大日本帝国”化で目指しているところは(国民の権利に関わる点については)共産党政権下の中国、金(正恩)一族と労働党が支配する北朝鮮のように日本をしてしまうことだと警告してきています。
  次の国政選挙で国民=有権者が最もまじめに自問しなければならないのは「いまの中国や北朝鮮のような国に自分は住みたいのか?」ということです。「中国や北朝鮮のような国に日本をしたいのか?」ということです。
  卑劣な詐欺師=安倍首相の“狂気”を許してはなりません。
  安倍首相とその徒党の“狂気”が日本を中国や北朝鮮のような“自由がない国”“息が詰まる国”“好戦的な国”にしてしまうのをなんとしても防がなければなりません。
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  [参考記事 : 衆参同日選挙とは Wikipedia(ウィキペディア)記事検索 goo] (http://wpedia.goo.ne.jp/wiki/%E8%A1%86%E5%8F%82%E5%90%8C%E6%99%82%E9%81%B8%E6%8C%99
  <同日選挙では投票率が上がり、浮動票に依存する政党に有利であり、組織票に依存する政党に不利であるという見方は一般的となっている>
  <また、政権与党に有利と言われる。これは、衆院選あるいは参院選を単独で行った場合は野党間で候補者調整などの選挙協力を行いやすいが、衆参同日選挙となった場合はそれぞれの政党が議席の獲得を目論むため、選挙協力を行いにくいという事情があるからである。 野党に不利であることは選挙結果にも現れており、実施された2回とも野党第一党だった社会党、第二党だった公明党は惨敗し、議席を減らしている>
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  [4月2日 追加]
  【15年度6兆円も吹っ飛び…GPIFが姑息な「年金大損隠し」】日刊ゲンダイhttp://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/178542/1) 2016年4月2日
  <年度末を迎えた31日の日経平均株価は、5年ぶりに前年度末を下回った。安倍政権の屋台骨を支えてきた「アベノミクス」の破綻は明らかで、株価維持のために“利用”されてきた年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2015年度の運用実績は「大損」が確実だ。そうしたら、GPIFにうさんくさい動き。31日、運用実績の公表日を例年より3週間近く遅い「7月29日」と発表した。参院選の“争点隠し”が目的なのは明らかだ>
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  [4月3日 追加]
  【株投資拡大 裏目に 年金運用損失 5兆円見通し】東京新聞 2016年4月3日 (http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016040390065914.html
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