新版「徒然草」 第一六七段   (抜粋)

新版「徒然草」 第一六七段   (抜粋)

  現代語訳付き 小川剛生・訳注 角川ソフィア文庫 

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  我が智を取り出でて人に争ふは、角ある物の角を傾け、牙ある物の牙を咬み出す類なり

  人としては善に誇らず物と争うはざるを徳とす

  人にまされりと思へる人は、たとひ言葉に出でてこそ言はねども、内心にそこばくの咎あり。慎みてこれを忘るべし