第369回 安倍首相 はその“数枚舌”で国を亡ぼす

  
  日本の政治にいくらかでも関心を抱く者なら、最近、どこかでこのような記事を目にしたはずです。
  たとえば、朝日新聞にはこう書いてありました。【安倍首相、改めて憲法改正に意欲 消極的な野党を牽制】 河合達郎 2016年4月29日21時48分 (http://www.asahi.com/articles/ASJ4Y65WZJ4YULFA014.html
  <安倍晋三首相は29日放送の日本テレビの番組で、憲法9条について「(自衛隊を)憲法学者の7割が『違憲だ』と言っている状況のままでいいのかということに真剣に向き合わなければいけない」と述べ、改正に改めて意欲を示した>
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  安倍首相の頭脳が歪み切っていることを、この短い記事は、この上なく明確に告げていますよね。
  だって…。「憲法学者の7割が『違憲だ』と言っている状況のままでいいのか」としゃあしゃあと言ってのけているのですよ。
  どんな思考回路を有しているとこんな無責任な発言が、臆面もなく、できるのでしょうかね?
  “舌”を何枚持っていればこのように恥知らずな発言ができるのでしょうね?
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  詐欺師にしか向いていないようなこんな歪んだ頭脳の持ち主を首相に戴いている日本は実に大きな危機に陥っています。
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  おかしいではありませんか。
  努めて思い出そうとしなくとも、たちまちのうちに頭に浮かんでくるのは、このおなじ人物が、90パーセントほどの、大多数の憲法学者憲法違反だとしていた“安全保障法=亡国好戦法”を無理やりに成立させた、という事実です。
  一方で、「90パーセントほどの、大多数の憲法学者憲法違反だとしてい」ても、そんな連中の意見は尊重するに値しない、として亡国好戦法を強引に成立させておきながら、他方では憲法学者の7割が『違憲だ』と言っている」のだから、専門家たちの意見を尊重して事を進めるべきだ、と言っているのですよ。
  圧倒的な多数である憲法学者の意見は……聞くの?聞かないの?
  自分に都合がいいようにしか他人の意見を聞かない=他人の意見は自分に都合いいように歪めて聞く、という安倍首相の(おそらくは、ほとんど持って生まれた)身勝手な思考回路の歪みぶりが、ここでも、実によく表れているではありませんか。
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  議論をし何かを行動に移すにあたっては“筋を通す”ことが大事だ、あるいは、“筋が通らない”議論や行動はしてはならない、と信じる「苦言熟考」と安倍首相の“数枚舌”はまったく相容れません。
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  いやいや、日本はすでに、まともな“筋”が通りにくい、というよりは、通らない、安倍首相の頭脳の在りように力づくで合わせられた、著しく歪んだ世の中になっています。
  “筋”が通らない議論や行動だけが表面に出ることが許される恐ろしい社会になっています。
  このまま進めば日本は、安部自民党がなんとしても実現したいと念じている“新・大日本帝国”になってしまいます。
  無能で無責任な軍人と政治家たちの狂気が国を破壊しつくしたあの“大日本帝国”が復活してしまいますよ。
  いまの中国や北朝鮮と同様の、自由がいちじるしく制限された、息苦しく住みにくい国に日本はなってしまいますよ。
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  憲法学者の7割が『違憲だ』と言っている」から「90パーセントほどの憲法学者憲法違反だとしてい」てもとを、自分に都合がいいように使い分けてまったく恥じることがない頭脳が日本を良くしていくことは、絶対に、ありません。
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  上の記事のつづきにこういう個所がありました。
  <「いま思考停止している政治家、政党の皆さんに真剣に考えてもらいたい」とし、改正に消極的な野党を牽制(けんせい)した>
  国政や外交に関して自らは、“筋を通して”正しく思考することがまったくできない、そうしようとはしない、この無能で無責任な人物=安倍首相にしか口にできない類の“ドヤグチ”とでも言うのでしょうか、こういうの?
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  蛇足ながら……。
  安倍首相の“数枚舌”は日本国憲法を蹂躙するためだけに駆使されているのではありません。
  安部政治というのは、内外の多くの経済学者たちが「すでに失敗している」と見ているという「アベノミクス」を含めて、要するに、すべてが、国民を騙しながら押し進める“数枚舌政治”です。
  “筋を通して”考えれば、だれでもそのことに気づくはずです。
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  どうです?
  オバマ米大統領の広島訪問を安倍首相が、その“数枚舌”で、自分に都合がいいように政治的に利用しまくろうとする姿が、もう見え始めていませんか?
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