【第48回 万能! “解釈変更”】
そんな“解釈”が通るのなら、安倍首相、憲法改定する必要はないのでは?
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安倍首相の私的懇談会「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二前駐米大使)というのは、選出されたそのメンバーの顔ぶれから、どういう内容の答申をするかが初めから分かっているわけですが…。
<毎日新聞>(6月12日)によると、11日の2回目の会合では、 「公海上で米艦が攻撃された際」には「集団的自衛権の解釈を変え、自衛隊が護衛すべきだ」という意見がほとんどだったようです。
従来の<解釈>は、「集団的自衛権は保有するが行使できない」「日本が<有事>状態になった場合の自衛目的以外では米艦を守れない」というものだったようですから180度の<解釈変更>を薦めようとしているわけです。
問題は、日本が自衛権行使に及んでいない状態のときに公海上で米艦が攻撃された場合、米艦防護のために集団的自衛権を行使するかどうか、行使できるかどうか、です。
会合では、その例として五つの状況が指摘されたそうです。
1.日米共同訓練中に自衛隊が補給に当たっている
2.日米共同訓練中の米艦である
3.周辺事態で自衛隊が後方支援活動を行っている
4.同事態で自衛隊が船舶検査活動を行っている
この状況下で米艦を攻撃してきた相手には、自衛隊が武力反撃できることに「懇談会」はしたいのです。
これは自衛隊が自ら<有事>状態に入り込む、<有事>状態を作り出すということにほかなりません。
危険極まりない<解釈変更>です。
今回の「懇談会」ではそれ以上のことには触れられていないようですが、この<解釈変更>が確定すれば、日本国首相は、日本自体がさしたる危険に陥っているわけではないのに、(国会を無視して)自衛隊幹部と少数の安全保障関係者と話し合っただけで、他国と戦争状態に入ることができることになってしまいそうです。
こんな重要な変更を姑息な(間に合わせの)<解釈変更>で行わせるわけにはいきません。
<解釈変更>だけで行えると信じている安倍首相と自民党に政権を任せていてはなりません。
いったんこんな変更ができるとなると、日本国憲法はないも同然ということになります。
いえいえ、そもそも、日本を平和国家から軍事国家に変えるのに<憲法改定>は不要だ、という極端な議論さえ可能になってしまいます。
12日の報道によると、世界の軍事大国の4番目に中国がのし上がったということです。…軍事支出額で日本を追い抜いて。
日本はいまでも、アメリカ、イギリス、フランス、中国に次ぐ軍事支出大国なのです。
愚かな首相に自衛隊を好きに扱わせるわけにはいきません。
安倍首相には、自分が何をしているかが分かっていないのです。民主主義や憲法の意義が分かっていないのです。
日本の現在・将来にとって実に危険な人物です。
国民がもう少し利口にならないと、この国は大変なことになってしまいます。