2014年7月21日に掲載したものです。
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安倍晋三氏が最初に内閣総理大臣を務めていたころにも「苦言熟考」は、首相を批判するエッセイをいくつも書いています。そのそれぞれが、日本国憲法の破壊=壊憲=に向かって盲進する安倍自民党“ならず者集団”政権の現況を、事実上、“予知”するものとなっていた、と感じています。そこで、読み返してみました。
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【第37回 <美しい国>日本】(http://d.hatena.ne.jp/a20e2010/20110722/1311288901)
<“美しい国”“美しい日本”を作っていきたい、作らなければならないと安倍首相が言い始めたとき、当然、首相の頭の中にある今の日本は“美しくない国”であったはずです> <ですが…。待ってください。 こんな日本にしてきたのは、いったいだれなのでしょう?戦後60年余、短期間の例外を除けば、日本の政治をほぼ常に牛耳ってきたのは自民党(とそれにつながる政党)でしょう?政策決定の主導権を持ちつづけ、現実に政策のほとんどを決定し、実行してきたのもそうでしょう? >
<自民党の責任に一切触れずに安倍首相が「しゃあしゃあとして」“美しい国”作りを提唱するのをただ聞いていてはいけません。いまの日本がなぜ“美しくない”国になったのかをちゃんと説明することができない安倍首相は、では、どんな日本が“美しい”のかについては、具体的には、ほとんど言及していません。できないのです。抽象的な言葉を情緒的に並べて、国民をやんわりと脅すことしかできないのです>
*「抽象的な言葉を情緒的に並べて、国民をやんわりと脅すことしかできない」というやり方は、集団的自衛権をめぐる国会での答弁ででも、現実には起こりえない状況をただただ大仰に描き出すことで、国民を不安に落とし入れようとする、という形で再現されましたね。
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【第41回 ほとんど“うそつき”】(http://d.hatena.ne.jp/a20e2010/20110722/1311291732)
<“従軍慰安婦”に関する安倍首相の強弁を、アメリカの有力新聞<ワシントン・ポスト>はその3月4日の社説で「double talk」と呼びました> <付されたリードは「He’s passionate about Japanese victims of North Korea and blind to Japan’s own war crimes」<北朝鮮による日本人被害者のことではpassionate (熱烈)だが、日本自身の戦争犯罪については blind だ(何も見えていない)> でした>
<「北朝鮮政府の stonewalling (のらりくらりと消極的な態度をとること)を不服に思う権利は安倍首相にある。だが、奇妙だし、offensive (不快)なのは、そうする一方で同首相が、第二次大戦中に何万人もの女性を abduct (誘拐する)、レイプし、性的奴隷としたことへの日本の責任を回避しようと campaign (目的を持って行動)していることだ」>
<「事実、歴史的記録は、この(“従軍慰安婦”)問題に関して、北朝鮮が日本国民を拉致したこととおなじように真実を伝えているのだ」> <「日本人拉致被害者の運命について国際社会に知ってもらい、その支援を得ようと、もし考えているのなら、安倍首相は、日本自身が犯した罪への責任をすんなりと認めるべきだ。そして、自分がこれまで slander (中傷する 名誉を毀損する)してきた被害者たちにわびるべきだ」>
*安倍首相に一貫して、致命的に欠けているのは“(日本の歴史を含めた)自らの言動や行為の是非を省みない”という態度です。自分が信じるところだけしか見ない、というのがこの人物の最大の特徴です。
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【第43回「大変申し訳ない」】(http://d.hatena.ne.jp/a20e2010/20110722/1311292135)
<安倍首相がアメリカのメディアに「当時の慰安婦の方々に人間として心から同情するし、そういう状態に置かれたことに対し、日本の首相として大変申し訳ないと思っている」「20世紀は人権が世界各地で侵害された世紀だが、日本にも責任があり、例外ではない。慰安婦として彼女たちが非常に苦しい思いをしたことに対して責任を感じている」と語ったそうですね>
<アメリカのメディアに向けたこの発言の中でも安倍首相は、「当時の慰安婦の方々」に「申し訳ない」とは言っていますが、日本軍と日本政府がどの程度関与したかについてはまったく触れていません。「慰安婦として彼女たちが非常に苦しい思いをしたことに対して責任を感じている」とは述べていますが、では“どこがどう、そしてだれが悪かったか”についても言及していません> <安倍首相の「申し訳ない」には具体性がないのです> <できるだけ一般論で逃げ切ろうという意図が見えすぎています> <日本の<責任>を語ろうというときに、地を出して、つい「20世紀は人権が世界各地で侵害された世紀だが」などと逃げの言葉をつけ加えてしまうわけですね>
*口先だけの“侘び”が許される(つまり、思う存分に甘やかされた)=誠意が厳しく問われることがない=環境の中でこの人物は幼少時から育てられてきたのでしょうね。そうとしか思えない、真実味に欠ける“侘び”ですよね。
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【第46回「ジョージ!」「シンゾウ!」の仲も実はこんなもの】(http://d.hatena.ne.jp/a20e2010/20110722/1311312489)
<考えてみてください> <アメリカは、いえ、ブッシュ政府は、イラクを不法に侵略して内戦を引き起こさせ、これまでに7万人から10万人といわれる数の民間人を死に至らしめているのですよ> <この愚かで非道な戦争で自国の兵士3000人以上をすでに殺していて、なおも、その間違った政策を取り繕おうと増兵を行っているのですよ> <そんなブッシュ政府が、過去何十年かのあいだに日本人が数十人拉致されたという(まったく不当ではあるが、アメリカにとっては些細な)事件を北朝鮮の非核化ができるかどうかという問題と同等の位置に置くわけがありません>
<事の軽重が分からず“拉致問題”にただこだわりつづける日本につきあって、北朝鮮に交渉遅滞の口実を与えるはずがありません> <国際政治の現実への安倍首相の無知がここでもこの上なく証明されたわけです>
*参考記事【米国激怒に安倍首相マッ青 支持率切り札「9月訪朝」断念か 】日刊ゲンダイ 2014年7月20日(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/152011)
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【第48回 万能! “解釈変更”】 (http://d.hatena.ne.jp/a20e2010/20110725/1311547372)
<安倍首相の私的懇談会「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二前駐米大使)というのは、選出されたそのメンバーの顔ぶれから、どういう内容の答申をするかが初めから分かっているわけですが…> <「毎日新聞」(6月12日)によると、11日の2回目の会合では、「公海上で米艦が攻撃された際」には「集団的自衛権の解釈を変え、自衛隊が護衛すべきだ」という意見がほとんどだったようです>
<これは自衛隊が自ら“有事”状態に入り込む、“有事”状態を作り出すということにほかなりません> <危険極まりない“解釈変更”です> <こんな重要な変更を姑息な(間に合わせの)”解釈変更”で行わせるわけにはいきません> <“解釈変更”だけで行えると信じている安倍首相と自民党に政権を任せていてはなりません> <安倍首相には、自分が何をしているかが分かっていないのです。民主主義や憲法の意義が分かっていないのです> <日本の現在・将来にとって実に危険な人物です>
*安倍首相の暴走を国民は、集団的自衛権の行使容認が閣議決定されるところまで、やすやすと許してしまいました。日本の平和主義が、憲法が、無残に破壊されようとしているというのに……。無用な戦闘行為に日本が巻き込まれるようなことがあっても、戦争を他人事としてしか捉えていない現安倍自民党“ならず者集団”政権、あるいはその生き残りたちは、言い逃れに走るだけで、絶対に、その責任を取りはしませんよ。
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【第50回 安倍首相の辞書には<セクハラ>はない?】(http://d.hatena.ne.jp/a20e2010/20110726/1311645919)
<いえ、安倍首相に限らず、「従軍慰安婦>問題で<日本軍による具体的な強制はなかった」とする人たちの論理では「この世界に“セクハラ”は存在しない」ことになってしまいます。どういうことかといいますと…>
<「金品と引き換え」であろうとなかろうと、全体の“慰安所”制度の背後には日本軍の“権力”がありました> <従軍慰安婦制度は日本軍が(少なくとも)容認していた“事業”です。たとえ、女性たちをその手で連れ出したのが民間人であったとしても、背後に日本軍の“権力”があって初めてそれは可能だったのです。ミャンマーまで連れ出した「朝鮮人女性20人」を強要・誘導して“契約書”にサインさせるのは簡単なことだったはずです> < 日本軍が直接手を出して“強制連行”したかどうかをこの人たちは問題にしたがっていますが、ここでの“悪の根源”は、当時の日本軍が持っていた“権力”なのです。問題にされているのはそこなのです> <その、“権力”があって初めて成り立ったこと、“権力”なしには成り立ち得なかったことの一つが“従軍慰安婦”制度です>
<米下院の外交委員会は27日、旧日本軍の慰安婦問題について日本は十分に反省していないとして、非難決議案を39対2で可決ました。下院本会議でも7月中には可決される見通しです> <それを受けて安倍首相はこう発言しています> <「米議会ではたくさんの決議がされている。そういう中の一つ」「コメントするつもりはない」> <この人はいったい何を考えているのでしょうね?> <自分に分かること以外は何も考えていない?考えることができない?> <こういう無能で無責任な人物を首相にしていることを日本人は「恥ずかしい!」と思わなければなりません> <自分が唯一頼りにしているアメリカの議会の下院委員会が圧倒的多数で決めたことをここまで軽んじたことが持つ深刻な意味も、安倍首相はまったく理解していません>
*終戦の日の前後に膨大な量の資料を日本軍(と政府)が焼却処分したという世界に知れ渡っているはずの事実に頬被りして、朝鮮半島などで日本軍がその地の女性たちを強制的に“慰安婦”として連行したという“証拠”は日本側では見つからなかった、だから日本軍が非難される理由はない、といったふうな、子供だましの弁解が通ると信じている幼稚な頭脳を再び首相にしてしまった日本国民が猛省しなければ、世界の目には日本人全体が大うそつきだと見られるようになりますよ。
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【第51回 進路を間違えたのでは、安倍首相?】(http://d.hatena.ne.jp/a20e2010/20110723/1311374584)
<安倍首相にいくらか“才能”があることを改めて知りました。…社会のためになるとは、とうてい、思えませんが> <堂々とウソがつけるという才能です>
<「800円ですよ。月800円の人を辞めさせるのですか」> <赤城徳彦農水相の“不透明”経費報告に関して、安倍首相はあるテレヴィ討論で、しゃあしゃあと、声を荒げて、そう言ったそうですね> <安倍首相が持ち出した数字は、額がいろいろだった光熱水費の中から格別に小額だった年の分を、意図的に、選び出したものだったのですね> <こういう手口は詐欺師が好むものだと思い込んでいませんでしたか?> <こういうペテン師の論法を国民の前で、恥ずかしげもなく、というより、得意満面で展開する人物が日本の首相なのですよ> <ありもしない<大量破壊兵器>を「ある」と言い張って対イラク戦争に突入した(戦争犯罪人候補者)ブッシュ(息子)米大統領と、そのスケールは異なりますが、安倍首相は本当によく似ています> <二人とも“天性のペテン師”なのかもしれませんね>
*集団的自衛権の行使を可能だとする“壊憲”過程で、安倍首相は自らが−改憲ではナチスの「あの手口学んだら」と語った麻生太郎副総理をもしのぐ「大」の字つきの−“ペテン師”であることを十二分に証明しましたよね。国民がそれを黙認するようだと、日本に良い未来はありません。
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【第52回 安倍首相は「反省」という単語の意味が理解できていない】(http://d.hatena.ne.jp/a20e2010/20110723/1311374842)
<読売新聞インターネット版(2007年7月30日)は「与党惨敗・過半数割れ、民主第1党に…安倍政権に打撃」という見出しで報じています> <「打撃」を受けているはずの安倍首相は昨夜…> <読売新聞によると<「惨敗の責任は私にある」としながらも、「私の国づくりは、まだスタートしたばかりだ。改革を進め、首相として責任を果たしていかなければならない」と述べ、引き続き政権を担う意向を表明しています>
<この選挙で与党が「惨敗」したのは、その「私の国づくり」「改革」を国民が嫌ったからではないか、とは安倍首相はまったく考えていません> <選挙の大勢が決まったあとのNHKの番組で安倍首相は「反省すべき(点)は反省して…」と何度もくり返しました> <安倍首相は「反省」などしていません。言葉の真の意味で「反省」ができる人物ではないのです> <自分の(途方もなくはた迷惑な)信念に「頑固にこだわって」いるだけの人物なのです、この首相は> <こんな人物に日本を「倒産」させてはなりません>
*自明のことなのですが、真摯に反省する“大ペテン師”というのはありえない、ということです。
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国民が反撃するチャンスはまだありますよ。
とにかく、国民が目覚めなければ……。
手後れになる前に……。
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