日本語の“乱れ”についてまた書かせてください。
今回指摘したいのは「NHKのアナウンサー(キャスター)たちは<体言(名詞)+です>という言い方を多用しすぎる」ということです。
マニラでは見られませんから断言はしませんが、民放各局でも同様ではないでしょうか。
とはいえ、そのニュースを読んだアナウンサー(キャスター)たちが記事を自ら書くわけではありませんから、問題なのは彼らではなく、実際に記事やその見出しを書いた記者や編集・整理担当者だ、ということになります。
たとえば…。
「8回満塁本塁打で佐賀北が優勝です」「電力供給が大ピンチです」「被害者の不満が爆発です」「この大雨で(XX川は)危険水位です」などといった言い方です。
すぐに気づくのはそれぞれ「8回満塁本塁打で佐賀北優勝」「電力供給、大ピンチ」「被害者の不満、爆発」「この大雨で危険水位に」というような、本来はニュースや記事の見出しにふさわしい表現にただ「です」をつけ足して“それでよし”としている、ということですね。
以前は、ニュースを読むときには「8回の満塁本塁打で佐賀北が優勝しました」「電力供給が大ピンチ(状態)になっています」「被害者の不満が爆発しました」「この大雨で(XX川は)危険水位に達しました」などというように表現していたものです。
どちらの言い方に“品格”を感じますか?
携帯電話でメッセイジを送ることが普通になって、言葉の簡略化が急激に進行しているはずです。“暗号化”も同時に起きていることでしょう。
だからこそ…。そんな時代だからこそ、NHK(と民放各局)の(少なくとも)報道番組は日本語を“正しく”“品良く”使わなければなりません。手本あるいは規範を示さなければなりません。
「次はスポーツです」なぜ「次はスポーツ・ニュースをお伝えします」と言えないのでしょうか?
「安倍首相が続投表明です」なぜ「安倍首相が続投する意思を表明しました」と言えないのでしょうか?
「XXがここ数年のトレンドです」なぜ「XXがここ数年のトレンドになっています」と言えないのでしょうか?
NHK(と民放各局)にはこんなところで手を抜かないでもらいたいものです。<これは便利だ>と言わんばかりに、やたら手軽に<体言(名詞)+です>で文を締めくくるのはやめてほしいものです。