どうか、あの言い方はやめて・・・

2023年1月21日のスポーツ報知・インターネット版にこんな記事がありました。

  <1週間前の15日に京都で行われた全国都道府県対抗女子駅伝では岡山・津山鶴山中3年のドルーリー朱瑛里(しぇり)が3区(3キロ)で38位から17人抜きの快走を披露し、9分2秒で区間新記録をマーク。強烈なインパクトを残した>

  <山形県チームの阿部亮監督は「1区(高校生区間)の菊地道登君(東海大山形高3年)の快走を期待していますが、もし、出遅れてしまった場合、菅野君が先週のドルーリーさん並みのゴボウ抜きをしてくれると思います>

 

  マラソンレイスなどの中継放送で頻繁に使用される「ごぼう抜き」という言い方には、いつまで経っても、馴染めません。

 

  「ゴボウ抜き」小学館現代国語例解辞典によると

  1⃣ (ゴボウを土中から抜くように)物を一気に引き抜くこと。 また、多くの中から一つずつ勢いよく抜き出すこと。「機動隊が座り込んだデモ隊を牛蒡抜きにする」

  2⃣ 競争などで数人の競争者を一気に追い抜くこと。「ゴール近くで三人も牛蒡抜きにする」 ⓶は本来は誤用とされた。

 

  長距離レイスで誰かが数人を一気に追い抜く場面を見て「土中からゴボウを抜く」様が思い浮かべられますか?

  言葉は時代の流れとともに変化するものだ、と主張する人も多いし、そういうものだと思います。

  しかし、この誤用には、弁護、弁解する余地が寸分もありません。

  言葉にかかわる想像力を日本人全体が失ってきているのでしょうね。