安倍首相の虚言・妄言・欺瞞に騙されてはならない 再掲載 【第41回 ほとんど“うそつき”】

* 第一次安倍晋三政権時に書いたものを再掲載します。

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  口を開くたびに信用をなくしていく人物が首相に居座りつづけています。それでいいのでしょうか?

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  “Double Talk” 「あいまいな(つじつまの合わない)話」「いつわりの話」(旺文社 英和中辞典) 「でたらめなことばを並べて人を煙にまく話」「あいまいな話」(研究社 リーダーズ英和辞典)

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  “従軍慰安婦”に関する安倍首相の強弁を、アメリカの有力新聞ワシントン・ポストはその3月4日の社説で「double talk」と呼びました。

  付されたリードは「He’s passionate about Japanese victims of North Korea – and blind to Japan’s own war crimes」<北朝鮮による日本人被害者のことではpassionate (熱烈)だが、日本自身の戦争犯罪については blind だ(何も見えていない)> でした。

  日本の新聞が言わないことも<ポスト>は明確に述べています。

  「数十年前に北朝鮮の手で拉致されたとされる17人の日本国民に関する情報を同国は提供するべきだと主張する安倍首相は、両国関係の改善については、その回答を得るまで、話し合いを拒否するとしている。この single-note policy (一点強調政策:<ナントカの一つ覚え政策>とまで意訳しないでください!)を安倍首相は自分の道義水準の高さを示すものとしているが、首相は、13歳のときに拉致されたとされる女性を含め、日本人被害者たちを利用して、しぼみつづけている国内での支持を回復しようとしているのだ」

  「北朝鮮政府の stonewalling (のらりくらりと消極的な態度をとること)を不服に思う権利は安倍首相にある。だが、奇妙だし、offensive (不快)なのは、そうする一方で同首相が、第二次大戦中に何万人もの女性を abduct (誘拐する)、レイプし、性的奴隷としたことへの日本の責任を回避しようと campaign (目的を持って行動)していることだ

  「事実、歴史的記録は、この(“従軍慰安婦”)問題に関して、北朝鮮が日本国民を拉致したこととおなじように真実を伝えているのだ」

  <ポスト>の社説はこうも述べています。

  「日本政府が直接には“慰安婦”誘拐に関わっていなかったと主張することで日本の同義的権威を高めれば、拉致問題についての返事を北朝鮮に求めやすいと安倍首相は思っているかもしれないが、逆だ」

  「日本人拉致被害者の運命について国際社会に知ってもらい、その支援を得ようと、もし考えているのなら、安倍首相は、日本自身が犯した罪への責任をすんなりと認めるべきだ。そして、自分がこれまで slander (中傷する 名誉を毀損する)してきた被害者たちにわびるべきだ

  「被害者(“慰安婦”)たちが味わった苦痛について日本政府が一度も完全には責任を果たしてこず、賠償もしていないことは、それだけで十分にひどいことだが、安倍首相が以前の(河野)声明から後ずさりしようとしているのは、主要民主国家の指導者としては disgrace (不名誉なこと 恥辱的なこと)だ

  外務省は3月28日、<ポスト>に対して、この社説には誤った事実認識があるという主旨の文書を渡して抗議したようですね。

  こういうのを“恥の上塗り”というのでしたっけ?

  代々の自民党政府は「真の国益」とは何かがまったく分からないまま、日本を数十年間にわたって“支配”してきました。歴史的事実を受け入れないことでかろうじて自分たちの対外劣等感を克服しようという、同類の、過半数の、狭量な日本人(有権者)に支えられて。

  心ある日本人はいま、安倍政権が、国民の感傷に訴えやすい“拉致問題”を<錦の御旗>として振り回すことにあまりにも熱心で、世界のほかの重要課題が見えなくなっていること、国際社会から孤立しようとしていることを危惧しています。

  外国の新聞に日本の首相が諭され、事実上“うそつき”扱いされていることを憂えています。

  安倍首相がそういう扱いを受けても仕方がない人物であることにいらだっています。

  安倍首相は先日、政府への国民の支持が低下していることへの感想を求められて、支持率の低下は自分は気にしていない、自分の信念に従って政策を実施していくだけだ、というようなことを答えていました。

  困りましたね。分からない人ですね。

  支持率が下がっているのは、言うまでもなく、その“信念”が間違っていると多くの国民が感じ始めたからです。そんな“信念”は捨ててほしいと思い始めたからです。

  何とかしなければいけませんね。