2013年3月21日の毎日新聞にこんな解説がありました。<なるほドリ 日本の人口が減っているそうだね><記者 08年の1億2800万人をピークに減少しています。50年には9700万人、2100年には4900万人になると予測されています>
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シンガポールの華文紙「聨合早報」(2013年3月21日)によると、<「シンガポール建国の父」と呼ばれる>李光耀(リー・クアンユー)元首相は20日に開かれたスタンダード・チャータード銀行主催のフォーラムで、シンガポールのこれまでの経済的成功について語った際に、日本の状況にも触れて<日本が移民拒否を続ければ国は亡びる>との所感を述べたそうです(http://news.livedoor.com/article/detail/7526841/)。<移民政策については「質をコントロールし、優秀な外国の人材を取り込む必要がある」「人口の減少は国の致命傷になる」と指摘>し、高齢化が進む日本についても<「日本は高齢化や景気減速による苦境に陥っている。これは移民拒否と関係している」と分析した>ということです。<「国には人が必要だ。若者が経済を動かせるようにし、製品やおいしい食べ物を買えるようにしなければならない。日本のように移民を拒否すれば国は亡びる。そうなる前に日本は政策を変えるだろう」>という具合に。
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隣国の韓国でも少子高齢化が進んでいるようです。
「朝鮮日報」( 2013年8月26日)は【韓国、高齢化で福祉財政が底を突く可能性も】と題する<世界的人口学者ジョン・ウィルモス国連人口部長>の意見を紹介しています(http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/08/26/2013082600684.html)。その概要は、韓国は「2100年には世界最高齢国に」「高齢化考慮しなければ30年後に福祉政策が災いする可能性」「韓国も米国のように移民受け入れを」などというものです。
<高齢化に備えた対策を尋ねると、ウィルモス部長は「移民を受け入れる必要がある」と助言した><移民は主に経済活動が盛んな若者が中心となるので、生産活動人口の割合を増やして出生率を高めるのにも役立ち、高齢化を遅らせる効果が得られるというものだ。「移民を基盤に成長した米国のように今後進んでいくのが韓国には合っていると思う。だが、韓国は他民族を受け入れた歴史がないので、積極的な移民政策が可能かどうか分からない。東南アジアの人々が韓国に来て家庭を作り、子どもを出産し、その子どもが韓国語を話すことを受け入れるかどうかは、全て韓国人が決めることだ」と述べた>
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「ウォールストリート・ジャーナル」(2013年6月27日)には、同紙のコラム「ビジネス・アジア」の編集者であるジョセフ・スターンバーグ 氏の意見が【アベノミクスに欠けている矢―移民政策 】というタイトルで掲載されていました(http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324873304578570873239626416.html)。
<安倍首相が名祖の日本経済再生プログラムで象徴的な改革を1つ挙げるとするならば、移民政策だろう><新たな消費者や労働者を輸入する形になる移民は、企業による国内の設備投資を刺激する上できわめて重要である。納税人口の基盤が拡大すれば、日本政府の財政状況も改善される。移民には国外からの直接投資を推進し、生産性を高める効果もある><ところがアベノミクスにおいて移民改革が最も象徴的なのは、日本の将来にとって重要であるにもかかわらず、ほぼ完全にアジェンダから漏れているという点なのだ><人口の減少は消費者の減少を意味している。日本企業が国内投資に消極的な理由はいくつかあるが、これもその1つである。人口の減少は労働者の減少も意味している。日本の労働者1人当たりの生産性を(年間3-4%という先進国では異常な水準まで)劇的に高められなければ、安倍首相が約束した国内総生産(GDP)成長率2%の持続が不可能になるという影響も出てくる>
<移民政策研究所の坂中英徳所長によると、日本が人口の自然減を相殺するためには、2050年までに1000万人もの移民が必要だという。安倍首相が掲げる他の目標の多くも、最終的には移民にかかっている>
<米国や西欧州諸国のように移民が多い先進国では、日本人が大切にしているような社会的安定は見られない。南米の麻薬カルテルが暗躍し、同化していないイスラム教徒の移民が郊外で車を燃やしている国から来た外国人が、もっと多くの移民を受け入れるべきだと主張したら、日本人は当然のように「冗談でしょう」と言うであろう。しかし、日本が持続的成長に戻りたければ、理論的には移民以外の選択肢はないかもしれない。だがそれは、現実問題として、抽象的な経済目標を達成するために社会をひっくり返せと要求することになってしまうのだ>
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多くの移民を受け入れることで経済の「持続的成長」を実現していくのか、「社会的安定」を保ちたいというので移民を拒否して国力を衰弱させるのか?
上の三者は共通してそう問いかけているようです。
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【第143回 “少子化”で国が傾く】(http://d.hatena.ne.jp/kugen/20100101/1262298470)というエッセイを「苦言熟考」に書いたのは2010年の1月でした。
<国の将来に目をやったとき、いま一番真剣に考え、対策に乗り出さなければならないのは、米軍普天間基地の移転問題でも、もちろん、鳩山首相の政治献金問題でもありません。日本の少子化についてです。基地の移転が多少遅れようと日米が敵国同士になることはありえませんし、かりに(自民党にはその力がないので、マスコミが大騒ぎして)鳩山首相を辞職に追い込んだところで(その人物が優秀かどうかはともかく)新しい首相はすぐに決まります。日本が大きく傾くことはありません><だが、少子化を軽視しつづけると…>
<人口対策には即効薬はないのですから、政権を担当するのが何党であれ、国の指導者は数十年先を見つめながら、国民の目に見える形で、何かに着手しなければならないというのに……>
<政治家(とマスコミ)は移民受け入れへの意見を真剣に語り始めるべきです。移民受け入れに反対する者は、それなしでもこの国は将来やっていけるという根拠を示すべきです><多くの民族系の人々が住み合うなかで自らを鍛え行く……。日本人はそんな覚悟をしなければならなくなっている−と思います><日本は「数十年後に国が傾くかどうか」の分岐点に差し掛かっています。何かを始めなければならないときに来ています>
このエッセイを書いたときからすでに3年半以上が過ぎています。それでもまだ、日本の政界と報道界は動こうとはしていません。人口減の問題を深刻に受けとめて真剣に議論する者が日本にはいないようです。
日本が亡国の危機に直面しているというのに。
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【少子化が日本経済の足かせに、出産支援策に140億円計上―中国紙】(http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=75955)レコードチャイナ(提供/人民網日本語版)<2013年8月22日、国際金融報は少子化が日本経済の足かせになっていると伝えた。共同通信の21日付報道によると、日本の厚生労働省は2014年度予算の概算要求に、出産支援策として140億円を計上する方針を固めた。2013年度の94億円を大きく上回る額だ>
このように、日本政府が何もやっていないというわけではありません。しかしながら、この程度のつけ焼刃の“対策”をくり返すだけで、予想されている急激な人口減が止められると思えますか?永続的な衰弱から日本を守ることができると信じられますか?
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【日本の人口、26万人減少 「自然減」が6年連続拡大】 東京新聞(共同)2013年8月28日
<総務省が28日発表した2013年3月末時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査によると、全国の日本人の人口は前年同期より26万6004人(0・21%)少ない1億2639万3679人と4年連続で減少した。出生数が死亡者数を下回る「自然減」が6年連続で拡大したことが主な要因となった><65歳以上は人口動態調査では初めて3千万人を突破した。14歳以下は過去最少の1660万人となり、少子高齢化に歯止めがかからない状況だ>
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【社説:働く世代の縮小 政府はもっと危機感を】(毎日新聞 2013年09月02日)
http://mainichi.jp/opinion/news/20130902k0000m070087000c.html