再掲載:【第373回 情報への無頓着が大日本帝国の復活を許す】

 

 

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【第373回 情報への無頓着が大日本帝国の復活を許す】

  日本人が全体としてはいかに“正確な情報を伝える(得る)”ということに無頓着(無神経)であるかが、参議院議員選挙の投票日を数日後に控えた今日(7月6日)、【改憲勢力3分の2強まる 自民60前後、参院選終盤情勢】(東京新聞 2016年7月6日)といった報道で、またまた明らかになりました。
  選挙の争点ぼかし(憲法破壊の意図隠し)に躍起となっている自民・公明党の卑劣な戦術を打破・論破できない野党の惨状は目を覆いたくなるほどになっています。……選挙の争点を明確にすることすらできないのですから。
  いやいや、嘘とごまかしだらけの自民党公明党の政策・約束に欺かれて、3分の2に達する議席を彼らに与えようとしている(らしい)有権者の“知性・良識”の衰退ぶりは、実は、野党側の知的劣化以上に深刻な状況だと言うべきなのかもしれませんね。
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  「苦言熟考」は長いあいだ、繰り返して、報道機関を代表とする日本人全体の日本語力の貧弱化が日本を傾かせている、と主張しつづけてきました。
  日本語力が貧弱になると、“正確な情報を伝える(得る)”ということがいかに大事であるか、同時に、“筋”が通っていない議論がいかに危険であるかが国民に理解できなくなる、と考えたからです。悪意に満ちた政党・政治家連中に国民がいとも簡単に騙されることになりかねない、と危惧したからです。
  この選挙は「苦言熟考」が危惧していたとおりに「国民がいとも簡単に騙される」方向へと突き進んでいるようです。
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  “正確な情報を伝える(得る)”ということを国民がどう見ているかを知る一端として【第202回 野球場の距離表示からでも始めますか】2011-06-01 http://d.hatena.ne.jp/kugen/20110601/1306903930 の一部を再掲載します。
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  <野球というのはおかしなスポーツですよね。だって、ホームランや安打の数を一本ごとに、打率や防御率を何厘何毛まで、それぞれ細かく競うくせに、球場ごとに、ホームプレイトから外野ウォールまでの距離が違っていても、また、ファウルフライのテリトリーの広さが異なっていても、それはかまわないことになっていますからね。球場の形によっては、打者に有利だったり投手に有利だったり、右打者よりは左打者の方がホームランが打ちやすかったりするはずなのに……> <さて、そこで…> <日本のプロ野球の球団が本拠地にしている球場のうちのいくつがホームプレイトと両翼・センターのウォールまでの距離を明示しているか知っていますか?そんなことは気にしたことがない?マニラでも見られるNHK国際放送のプロ野球中継やスポーツニュースの映像から推察する限りではほとんどないようですが…?>
  <ちなみに、大リーグの本拠地球場でその距離が示されていないところをわたしは知りません。いや、大リーグの球場には、日本の大方のものとは違って、ボストン・レッドソックスのフェンウェイ・パークやサンフランシスコ・ジャイアンツAT&T パークのように、球場の形がいびつなものも少なくはありません。ホームプレイトから左翼と右翼の端までの距離が大きく異なっているだけではなく、その両翼間のウォールまでの距離も、あそこでは長くここでは短く、でこぼこに造られているという具合に。ところが、それでも、距離表示はそのいびつな形状に合わせてちゃんとされているのですよね> <日米間のこの違いはどこから来ているのでしょう?> <日本とアメリカでは情報というものへの考え方が根本的に違っているのだと思っています。> <アメリカ人、少なくともアメリカの野球ファンは、おそらくは、野球というスポーツは一本、一打、何厘何毛を競うものだから、戦う場の形状がそれぞれに異なっているからには、その違いを明示して、つまりはできるだけ正確な情報をフェアに提供して、ファンに了解、納得してもらうべきだ、と考えているのです。ファンの方も、フェアな情報なしには野球が十分には楽しめない、と>
  <日本はどうでしょう?プロ野球球団はなぜ、本拠地の外野ウォールの距離表示をさけるのでしょう?> <自分の球場の、ホームプレイトから外野ウォールまでの距離があまりにも短くて、野球ファンを騙しているようで、恥ずかしいから?事実をちゃんと見つめて対処しようとしない、実にみみっちい考えですね、そうだとすると> 
  <とにかく、その理由や動機はどうであれ、正しく詳細な情報を野球ファンに提供してファンに楽しんでもらうという第一義のサーヴィスを日本のプロ球団が忘れきっていることは明らかだと思われます。いや、熱心なファンにとってはそんな距離情報が重要なのだという認識がそもそも球団側にはないのだ、というのが正しい分析なのかもしれませんね> <一方で、ファンの方も、距離表示がないことに抗議することはありません。だれかが抗議したというような報道に触れたことはありません。距離表示は、平均的な日本の野球ファンにとっても、重要な情報ではないのでしょうね。球団もファンも、そこまで追い求めることなく、「まあ、いいか」「そんなもんかな」などというところで思考を止めしまって?>
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  この選挙ででも「まあ、いいか」「そんなもんかな」という国民の姿勢が顕著です。
  しかし、ここは“娯楽”気分でいていい場面ではありません。日本とその国民の将来を自民党公明党に暗澹としたものにされかねない瀬戸際なのです。
  心ある有権者は、「まあ、いいか」「そんなもんかな」というこれまでの姿勢を捨てて、せめて、インターネットを通じて入手できる、例えば【憲法「改正」問題 ― 自民党改憲草案の4つの問題点】(http://www.jclu.org/constitutionalissue.html
)【JCLUからのメッセージ ― 自民党改憲草案の4つの問題】(http://www.jclu.org/kenpouqa.html
)などに目を通してから投票所に行くべきです。
  日本を真に愛する者は、えせ愛国=亡国者集団である政府・自民党などに国を滅ぼさせてはなりません。
  中国や北朝鮮のような、国民の自由が奪われた、息苦しい国に、日本をさせてはなりません。